【3月28日 AFP】中国南部の広東(Guangdong)省湛江(Zhanjiang)市で、地元の役人や富裕層を対象にした「目を楽しませる余興」として、10頭以上のトラが観客の目の前で殺されていたと、国営メディアが報じた。

 中国共産党の地方機関紙、南方日報(Nanfang Daily)が26日に伝えたところによると、地元警察が今月行った強制捜査で、殺されたばかりのトラ1頭と複数のトラ製品が押収されたという。

 また同紙は、地元の役人や裕福な事業家らが、自分たちの社会的名声を誇示するための催しを見に集まっていたと報じた。2年前に撮影された映像には、鉄製のおりに入れられたトラが、木の棒で口に鉄の塊を押し込まれ、そこに10秒以上電気を流されて気絶する様子が捉えられていたという。

 さらに、熟練した牛・豚の食肉処理業者を雇ってトラの死体を解体させるのが通例になっており、トラの骨は1キロ当たり平均1万4000元(約23万円)、肉は1キロ1000元(約1万6000円)で売買されていたと伝えている。

 警察によると、ある食肉処理業者はそれまでに10頭以上を殺していたという。この業者は、捜査を受けた際に逮捕を免れようと建物から飛び降りて死亡した。

 同紙は匿名筋の話として、「トラは輸送時には恐らく麻酔をかけられていた。しかし殺す前には、ちゃんと生きているかどうか買い手が確認していた」と伝えている。

 トラの骨には強壮効果があるとされ、中国の伝統的な薬の原料として長く用いられてきていた。現在は原料の公式リストからは外されているが、今でもその効能を信じる人々は少なくない。

 国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)による絶滅の恐れのある生物種のレッドリストで、トラは絶滅危惧種とみなされており、密猟と生息地の破壊により、100年前には10万頭が生息していたといわれるトラは、現在約3000頭にまで減っているという。(c)AFP