【3月27日 AFP】米国の病院では院内感染で年間7万5000人が死亡していると、米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)が26日、発表した。入院中の患者が危険にさらされていると警告している。

 CDCは、全米183病院に関する2011年のデータを調べ、米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に報告した。それによると、この年は全米で患者64万8000人に72万1800件の院内感染が発生し、うち約7万5000人が入院中に死亡していたという。

 病院内で入院患者が細菌に感染した場合、肺炎や腸管疾患など深刻な合併症を引き起こす恐れがある。CDCでは、医療従事者が基本的な衛生対策を行っていれば、院内感染の多くは防止できたと指摘している。

 CDCのトム・フリーデン(Tom Frieden)所長は、「毎日200人の米国人が入院中に医療関連感染(院内感染)で死亡している」「医療従事者が定期的に手を消毒するといった基本的な衛生対策を行って感染防止に務めなければ、最先端の医療も機能しない」と警告した。(c)AFP