【3月27日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王が、ぜいたく三昧のライフスタイルで非難を浴びて問題となったドイツの司教の辞任を、正式に承認したことが分かった。

 バチカン(ローマ法王庁)の26日の発表によると、世界のメディアから「ぜいたく司教」と呼ばれるようになったフランツペーター・テバルツファンエルスト(Franz-Peter Terbartz-van Elst)司教(53)は、昨年に散財の詳細が表面化した後、法王によって聖職者の職務から無期限に外されていた。

 同司教は、中西部ヘッセ(Hesse)州の歴史ある町リンブルク(Limburg)に構えた自らの公邸に、博物館、会議場、チャペルなどを建設したことをめぐり、激しい怒りを招いた。

 建設プロジェクトの費用は当初550万ユーロ(約7億7500万円)と見積もられていたが、最終的には3100万ユーロ(約43億7000万円)に暴騰。これには78万3000ユーロ(約1億1000万円)の庭園と1万5000ユーロ(約210万円)のバスタブなどが含まれる。費用はすべて、ドイツの宗教税からの収入で賄われた。

 米カトリック系週刊紙「ナショナル・カトリック・リポーター(National Catholic Reporter)」のバチカン専門家、ジョシュア・マッケルウィー(Joshua McElwee)氏は、同司教の辞任について、「世界の教会を自身が最適と考えるように作り変えるという、法王の巨大な権力を示すものだ」と指摘。「さらに、教会の高位聖職者の中にテバルツファンエルスト司教を支持していた者がおり、意見の相違があることを改めて浮き彫りにした」と述べた。

 一方、米国に本拠をもつ「聖職者虐待被害者ネットワーク(Survivors Network of those Abused by Priests SNAP)」はやや冷めた見方で、「財政や管理統制の問題には、フランシスコ法王は敏速かつ大胆に対処するが、児童や犯罪については鈍く消極的だ」と声明を出している。(c)AFP/Ella IDE