【3月25日 AFP】ウクライナは24日、ロシアによるクリミア(Crimea)半島編入を受け、自国部隊のクリミア撤退を命じた。数の上で劣勢のウクライナ軍はこれに先立ち、迅速にクリミア併合を進めるロシア軍によって、さらに自国軍基地の1つを掌握されたばかりだった。

 オレクサンドル・トゥルチノフ(Oleksandr Turchynov)大統領代行は有力議員らに対し厳粛な面持ちで、クリミアの部隊とその家族を本国に移動させると伝えた。「安全保障国防会議は、国防省の指示の下、クリミア自治共和国に駐留している部隊の配置転換を実施するという決断を下した」

 トゥルチノフ氏によるこの劇的な発表は、全土に向けてテレビ放送された。同氏はさらに、「内閣は、兵士らの家族に加え、ロシア軍の占領部隊の圧力と侵略行為により現在家を追われているあらゆる人々を移住させる指示を受けている」と述べた。

 一方、親露のクリミア自治共和国のルスタム・テミルガリエフ(Rustam Temirgaliyev)第1副首相は国営ロシア通信(RIA)に対し、「全てのウクライナ兵は、ロシア側に入隊したか、あるいはクリミアから去っている」と語った。

 ウクライナでは先月22日、ロシア寄りのビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)政権が欧州との緊密な同盟関係を望むより国家主義的な指導者らによって退陣に追い込まれた。ウクライナ軍のクリミア撤退は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が、ヤヌコビッチ政権崩壊を受け、武力行使の議会承認を得てから1か月もたたない間に発表された形だ。(c)AFP/Dmitry ZAKS and Charles ONIANS in The Hague