【3月22日 AFP】オランダで19日に行われた統一地方選挙では、多くの市民や政治家が投票所で「自分撮り(セルフィー、selfie)」した画像をソーシャルメディアに投稿する姿がみられた。ますます拡大するセルフィー現象については、秘密投票の原則を脅かす恐れがある一方で、有権者らに投票を促す効果もあると指摘されている。

 多数の国民が、投票時の自分撮り写真に、オランダ語で「投票」を意味する「stemmen」と「selfie」を掛け合わせた「#stemfie」というハッシュタグを添えてマイクロブログのツイッター(Twitter)に投稿。中道政党の民主66(D66)のアレクサンダー・ペヒトールド(Alexander Pechtold)党首もその一人だった。

 その後、ツイッターをはじめインスタグラム(Instagram)、フェイスブック(Facebook)に同じ「#stemfie」のハッシュタグ付きで、投票の際に使う赤鉛筆や候補者リストを手にポーズを取る市民らの写真が多数、投稿された。

 一方、ツイッターにコメントを投稿したロナルド・プラステルク(Ronald Plasterk)内相は、「#stemfie」での投稿を呼び掛けるつもりはないが、認められている行動ではあると述べた。

 内相はまた、オランダのテレビ局RTLに対し、「他人の写真を撮ることで、秘密投票であることに影響を及ぼしてはならない。だが、自分の写真を撮りたい人がそうすることに問題はない」と話した。

 投票所で自分撮りする現象は世界中に広まっており、各国はこれに対する姿勢を明確にする必要性に迫られている。

 米国では州によって対応が分かれる一方で、南アフリカやフィリピンなどは禁止の方針を明確に打ち出している。(c)AFP