【3月21日 AFP】ウクライナ国防省は20日、クリミア(Crimea)半島のセバストポリ(Sevastopol)港に足止めされているウクライナの軍艦「テルノピリ(Ternopil)」が、約20人の武装集団に占拠されたと発表した。

 ウクライナ国防省のウラディスラフ・セレズニョフ( Vladislav Seleznyov)・クリミア担当報道官はAFPの取材に対し「攻撃が始まった」と述べ、後に交流サイト・フェイスブック(Facebook)上の投稿で「船は奪われた」と発表した。

 同報道官はフェイスブック上で、親ロシア民兵らとロシア軍兵士らが軍艦付近を封鎖し、その間に武装集団がボートでテルノピリに接近して襲撃に及んだと伝えている。「攻撃時にはスタングレネード(殺傷力のない手投げ弾)が使われ、自動火器の音も聞こえた」という。

 AFPは、テルノピリの隣のウクライナ軍艦「スラブチチ(Slavutich)」に乗船している将校に電話したが、応答はなかった。セレズニョフ報道官は、スラブチチが親ロシア派に占拠されたかどうかについては言及していない。

 ロシア黒海艦隊(Black Sea Fleet)のアレクサンドル・ビトコ(Alexander Vitko)司令官が同日、降伏を呼び掛けるためスラブチチに乗船したとの情報もある。

 このウクライナの2隻の軍艦は、ロシア海軍の通行妨害により同港内から出られなくなっていたが、攻撃を避けるため係留場からは距離を置いていた。(c)AFP