【3月20日 AFP】南アフリカで政府の不正を調査する護民官(オンブズマン)は19日、2億4600万ランド(約23億円)の公金を投入して行われたジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領の豪邸の改修工事の一部が過剰かつ違法であるとの判断を示し、費用の支払いを求める報告書を発表した。

 報告書の中で護民官は、ズマ大統領が、国家資源の保護を怠ったことで行政倫理規定に違反し、「過剰な」支出があったと判断。ヌカンドラ(Nkandla)村にある同大統領の広大な邸宅の改装費用のうち、警備に関係のない費用の「妥当な割合」を支払うよう求めた。

「ズマビル(Zumaville)」と呼ばれる邸宅で行われた改修工事は、警備強化が目的とされながらも、ビジターセンターやプール、円形劇場、診療所や鶏舎まで含まれている。

 ズマ大統領の緑の丘に囲まれた邸宅で行われた贅沢な改修工事に対しては、貧困が広がり1000万人が生活保護で暮らす同国の国民の間で、怒りが広がっている。

 南アフリカでは次期大統領選が5月7日に迫っており、ズマ大統領は再選を目指し出馬する意向だが、支持率はこのところ低迷している。最大野党の民主同盟(Democratic Alliance)は今回の報告書を受け、ズマ大統領弾劾の手続きを直ちに始めると発表している。(c)AFP/Sibongile KHUMALO