【3月19日 AFP】中国での結核発症率が過去20年間で50%以上減少したとする研究報告が、18日の英医学誌ランセット(Lancet)で発表された。これは、患者に抗生物質を確実に服用させるようにするための措置が拡大されたことによるものだという。

 人口10万人当たりの新たに結核に感染した人の数は、1990年の170人から2010年の59人になった。当初の予定より5年早い目標値の達成となった。

 中国疾病予防抑制センター(Center for Disease Control and PreventionCDC)の王宇(Yu Wang)氏率いる研究チームが発表した報告はこの成功を、直接監視下短期化学療法(Direct Observed Therapy/Treatment Short-course、DOTS)と呼ばれる治療を受ける機会が中国で拡大したことによるものとした。

 患者が抗生物質の服用をやめる時期が早すぎると、結核菌が繁殖して小さな病巣が残る場合があり、結核菌が抗生物質への耐性を獲得して他人に伝染する恐れが生じる。

 CDCの王氏は「結核治療の著しい進歩は、病院での対応から、DOTSを実施している各地の公衆衛生施設での対応に転換したことで後押しされた」と指摘している。

 DOTSは1990年代に中国で急速に広まり、2000年までに対象範囲を人口の半数から全人口に拡大した。(c)AFP