【3月17日 AFP】ウクライナ南部クリミア(Crimea)半島で16日行われたロシア編入の是非を問う住民投票で、地元当局によると開票率50%を超えた段階で95.5%が賛成票を投じ、ロシア編入の承認が確実となった。

 住民投票に対しては、実施前から各国政府が非難の声を上げていたが、クリミア半島各地の街頭では、多数の住民たちがロシア国旗を振り、旧ソ連時代の歌を歌って投票結果を祝った。

 親欧米のウクライナ暫定政権と欧米諸国は、今月初めから事実上のロシア軍の支配下となっているクリミアで行われたこの住民投票は「違法」であると主張している。

 住民投票で有権者が選ぶことを問われたのは、ロシア編入か、クリミアを事実上ウクライナ内の独立国家とした1992年憲法に回帰するかという2つの選択肢で、ウクライナ政府との良好な関係を保つという選択肢は無かった。

 英国のウィリアム・ヘイグ(William Hague)外相は、住民投票を民主主義の「まねごと」と呼び非難した。

 一方、ロシア政府との関係強化を拒否したウクライナ政府を罰し、ウクライナの国土を掌握するために住民投票を仕組んだと非難されているロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領との電話会談で、住民投票は「国際法の基準に完全に沿っている」と伝え、自身の揺るがない立場を表明した。

 これに対しオバマ大統領は、住民投票はウクライナ憲法に違反し、ロシアによる軍事介入の影響下で行われたものであると指摘。投票結果は「決して認めない」と表明し、欧州の同盟諸国と共に、ロシアに対し「さらなる代償」を支払わせる準備があると伝えた。(c)AFP