【3月15日 AFP】マレーシアのナジブ・ラザク(Najib Razak)首相は15日午後の記者会見で、今月8日未明に消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便は、民間の航空管制レーダーから機影が消える前に2つの通信装置のスイッチを切られ、機内にいた何者かによって意図的に針路を変えられていたとみられると述べた。

 クアラルンプール国際空港(Kuala Lumpur International Airport)近くのホテルで記者会見したナジブ首相によると、MH370便のボーイング(Boeing)777型機は8日午前1時30分に南シナ海(South China Sea)上空で民間航空管制のレーダーから消えた。その後同機は針路を変えてマレー半島(Malay Peninsula)上空を西に向かって引き返し、さらに北西に針路を変えてインド洋(Indian Ocean)の方に飛行した。

 ナジブ首相は、それは「機内にいた何者かによる意図的な行動」があったと考えても矛盾しない動きだったと述べた一方、「ハイジャックされたという報道もあるが、MH370がなぜ当初の飛行経路を外れたのか、われわれはあらゆる可能性を調べているところだ」として、ハイジャックだったのかは確認できていないと述べた。

 ナジブ首相は、同機と人工衛星の間で最後に通信が行われたのは、レーダーから機影が消えてから6時間30分以上過ぎた8日午前8時11分で、専門家がこれまで検討したところによれば、最後の通信が行われたのは、カザフスタンとトルクメニスタンの国境付近からタイ北部に延びる回廊空域と、インドネシアからインド洋南部に延びる回廊空域の南北2つの空域のどこかである可能性があると述べた。

 またナジブ首相は、マレーシア航空機が西に向けてかなり長い距離を飛行したと考えられることから、南シナ海の捜索を終え、航空機や艦船を別の場所に振り向ける方針だと明らかにした。(c)AFP