【3月15日 AFP】南アフリカの洞窟で見つかった背が低い猿人の化石は300万年前のもので、人間の祖先である可能性もあるという研究論文が14日、専門誌ジャーナル・オブ・ヒューマン・エボリューション(Journal of Human Evolution)のオンライン版に発表された。

 1997年に南アフリカ・ヨハネスブルク(Johannesburg)の北西にあるスタークフォンテン洞窟(Sterkfontein Caves)で発見されたこの猿人の化石は、その小ささから「リトルフット」と呼ばれている。リトルフットの化石は、これまでに発見されたアウストラルピテクス属のものとしては最も完全なものだという。

 研究チームは13年にわたる調査で、リトルフットは他の研究チームの推定よりも約100万年も古い300万年前に生きていたことが「説得力を持って示された」としている。そうだとすると、リトルフットはこれまでに見つかったヒト科アウストラロピテクス属の中で最古のメンバーである可能性がある。

 最古の人類だったのでないかと考えられている化石には、1974年にエチオピアで発見されたアウストラロピテクス属の別の系列のルーシー(Lucy)がある。人間と猿の両方の特徴を持つルーシーは直立二足歩行をし、ホモ・ハビリス(Homo habilis)を経て現生人類ホモ・サピエンス(Homo sapiens)が出現に繋がったと考えられている。