【3月15日 AFP】イングランド・プレミアリーグのウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(West Bromwich Albion、WBA)は14日、「重大な契約違反」があったとして、同日ツイッター(Twitter)で退団を発表したニコラ・アネルカ(Nicolas Anelka)に解雇を通告したと発表した。

 この日35歳の誕生日を迎えたアネルカは、WBAが3-3で引き分けた昨年12月28日のウェストハム(West Ham)との試合で、ゴールを決めた際に問題の発端となった「クネル(quenelle)」と呼ばれるジェスチャーをみせ、5試合の出場停止処分を受けることになっていた。

 アネルカがWBAとの契約解除を発表すると、クラブはその発表を否定した後、正式に解雇通告を言い渡した。

 アネルカはツイッターで、「私とクラブは協議を行い、特定の条件の下、ふたたびグループに加わるという提案を受けた」と投稿した。

「しかし、それは受け入れられない。私は完全な状態を維持することを望んでいる。そして私は自由の身になることを決断し、今季終了までだったウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンとの契約を解除した」

 アネルカの契約は今季終了後に切れることになっていたが、ゴールを祝う際に多くの人が反ユダヤ主義とみなすジェスチャーをしたことで、周囲からの恥ずべき行為だという非難と幻滅の声が高まり、すでに本拠地ザ・ホーソンズ(The Hawthorns)を去ることを考えていたと伝えられている。

 元フランス代表のアネルカは、これまで人種差別や反ユダヤ主義について激しく否定し、問題のジェスチャーは友人でフランスのコメディアンであるディユドネ(Dieudonne M’Bala M’Bala)氏との結束を示そうとしたものだと述べていた。

 かつてアーセナル(Arsenal)やスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に在籍していた経歴を持つアネルカの行動を受け、WBAは同選手に反論し、憤りをあらわにした。

 アネルカの行動を「プロのやる行為ではない」と批判し、契約解除の通知は正式に受け取っていないとしたWBAは、その数時間後、「重大な契約違反」があったとして同選手の解雇通告を言い渡した。

 プレミアリーグで過ごした12年間で合計6クラブを渡り歩いたアネルカは処分を受け入れ、15日のスウォンジー・シティ(Swansea City)戦から適用されることになっていた。

 WBAはアネルカの問題について独自で調査を行っていたが、今回の騒動と同選手をすぐに解雇しなかったため、スポンサー1社を失っていた。(c)AFP