【3月13日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は13日、8日に消息を絶ったままのマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便について、米捜査当局が、交信が途絶えた後も4時間飛行を続け、特定の場所に誘導されていた可能性があるとみていると報じた。だがマレーシア当局は同日、同紙の報道を「不正確だ」と否定。同便の行方をめぐる謎は深まる一方だ。

 同紙は、同便失踪の「事情に詳しい」2人の匿名筋の話として、米航空捜査当局と安全保障当局が、消息を絶ったボーイング(Boeing)777型機が搭載するロールスロイス(Rolls-Royce)製エンジンが自動収集し地上に送信したデータを解析したところ、不明機が計5時間飛行していたとみられることが分かったと報じた。

 この報道を基にすると、8日午前1時半(日本時間同3時半)ごろに乗員乗客239人を乗せ北京(Beijing)に向けてクアラルンプール(Kuala Lumpur)を飛び立った同便は、離陸から約1時間後に管制塔と最後に交信した後も、数百マイルは飛行を続けていたことになる。

 マレーシアの捜査当局は、同便がハイジャックされた可能性もまだ視野に入れていると言明しており、米中央情報局(CIA)もテロとの関連を排除していない。

 同紙は「捜査を追っている人物」の話として、米国の対テロ当局は、操縦士か搭乗者の誰かがレーダーでの検知を避けるため意図的に通信機の電源を切り、予定とは異なる場所に向かった可能性を探っていると伝えた。

 また別の情報筋の話として、「別の目的で飛行機を利用するため」に同便が針路を変えたとの仮説に基づき捜査が進められているとの情報を、米当局が受け取ったと報じている。

 これに対し、マレーシアのヒシャムディン・フセイン(Hishammuddin Hussein)運輸相代理は13日の記者会見で、「これらの報道は不正確だ」と断言。「ロールスロイスとボーイングのチームは、ここクアラルンプールにおり、9日からマレーシア航空や捜査班と協力している。こういった問題は、一度も持ち上がったことはない」と述べ、同紙の報道を否定した。(c)AFP