■無価値なダイヤに潜んでいた発見

 今回の発見に繋がったのは、2008年にブラジル・マトグロソ(Mato Grosso)州のジュイナ(Juina)の小川の川床で、鉱物資源を採掘していたアマチュアグループが発見したブラウンダイヤモンドの原石だった。

 直径わずか3ミリメートルの薄汚れた小石は、ダイヤモンドとしては全く商品価値のないものだったが、たまたま他の鉱物を調査していた科学者たちの手に渡ったところ大発見となったのだ。

 この小石の内部には、微少ながらリングウッダイトの痕跡が見つかった。数年かけて分光法とX線回折を行った結果、この石がリングウッダイトだということが確認できた。

 研究チームは、このブラウンダイヤモンドについて、火山が噴火した際に火山岩の中で最も地底深くに存在するキンバーライトの溶岩とともに地表に飛び出してきたのではないかと考えている。

 もし、本当に地球の内部に大量の水が存在するのだとすれば、火山の仕組みとプレートの動きに大きな影響を及ぼすことは必至だ。ピアソン氏は、「地球がこれほど活動的な惑星なのは、1つには内部に水が存在するためではないか。水は惑星の仕組みの何もかもを変えてしまう」と指摘している。(c)AFP/Richard INGHAM