【3月13日 AFP】トルコの首都アンカラ(Ankara)とイスタンブール(Istanbul)で12日、昨年6月の反政府抗議デモの最中に負傷した少年が11日に死亡したことをきっかけに数万人規模の抗議デモが起き、警官隊と衝突した。少年の死を悼み市民が集まることを阻止するため、警官隊は催涙ガスと放水銃を用いて解散を試みた。

 イスタンブールでは、死亡した少年の葬儀のために墓地へと向かっていたデモ隊が、反政府スローガンを叫び路上で物を燃やした。また昨年6月に抗議デモが始まったタクシム広場(Taksim Square)に向かっていたグループを阻止しようとした警官隊とこのグループとの間でも衝突が起きている。

 アンカラでは交通を妨害したデモ隊と警官隊が衝突。数人の逮捕者と負傷者が出た。

 他方、西部イズミル(Izmir)でも市当局の建物に向かって行進していたグループと警官隊が衝突し、女性1人が脚を骨折した他、数人が負傷している。

 11日に死亡した少年は昨年6月、トルコ全土に広がったレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相への抗議行動の最中、催涙ガス弾を頭に受けた。269日間昏睡状態に陥っていたが、11日にイスタンブールの病院で死亡した。少年は小売店にパンを買いに出かけた際に負傷したという。

 30日の地方選挙で負けたら退陣することを約束しているエルドアン首相。12日の一連の騒動は、少なくとも32の都市で起きた前日の衝突に続き、さらなる圧力となった。(c)AFP/Dilay GUNDOGAN