【3月11日 AFP】米東部コネティカット(Connecticut)州ニュータウン(Newtown)のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)で2012年12月、児童20人と成人6人を殺害し自殺したアダム・ランザ(Adam Lanza)容疑者(当時20)は、殺人事件に執着するなど、数々の情緒的な問題を抱えていた──。容疑者の父親が、10日に米誌が掲載したインタビューの中で語った。

 母親が合法的に入手したライフルを使い、米国史上最悪の大量殺人事件の一つを引き起こしたランザ容疑者の父親であるピーター・ランザ(Peter Lanza)さんは、米誌ニューヨーカー(New Yorker)と、事件後初めてのインタビューに応じた。

 ピーターさんによると、社会に適応できなかった息子の正式な診断名は「自閉症」だったものの、それとは別の情緒的な問題を抱えていたことは明らかだった。

 ランザ容疑者は、自分の母校である小学校の1年生だった児童たちを無差別に殺害。その直前には、母親のナンシーさんの命も奪っていた。あまりにも凶悪な犯罪行為に及んだ息子は、この世に生まれてこなければよかったと、ピーターさんは話している。

■幼少期から「不適応」

 容疑者の適応障害の症状は年を追うごとに悪化していたが、相談を受けていた精神保健の専門家も、容疑者がどれほどの暴力的行為におよび得るのか、見抜くことができなかった。

 ピーターさんによれば、容疑者には「社会不適応、心が安まらない不安神経症、不眠、ストレス、集中力の欠如、学習困難、ぎこちない歩き方、人と視線を合わせない」などがみられ、「変化が起きていることは明らかだった」。さらに両親は、息子が幼いころから次第に、「殺人」に興味を持ち始めたことに気付いていた。だが、夫妻が何年間にもわたって相談していた専門家らは、容疑者の暴力的な傾向を見い出せなかった。