【3月11日 AFP】国連(UN)の世界食糧計画(World Food ProgrammeWFP)は10日、3年にわたって内戦が続くシリアでは、不安定な国内情勢により、約50万人が必要な食糧支給を受けられない状態にあると発表した。また、同機関が直面する資金不足も、支給食糧の減少につながっているという。

  WFPはおよそ数週間前から、これまで長く誰も立ち入ることができなかった首都ダマスカス(Damascus)やホムス(Homs)、ラッカ(Raqa)、ダルアー(Daraa)の多数の地区で食糧支援を実施してきた。だが、同機関の報告書によると、約7万1500人に数か月ぶりとなる食糧支援を実施できた一方で、広範囲にわたって不安定な情勢が続いていることから、いまだ厳しい食糧難の状態にある約50万人には、食糧を届けることができなかった。

 WFPは、シリア国内で毎月約425万人に食糧支援を実施することを目標としている。しかし、先月中に食糧を支給できた人数は、シリア国内で370万人、周辺国に逃れたシリア難民では150万人にとどまったという。

 このほか、同機関の資金不足も深刻な問題となっている。シリア国内で支援を必要とする家庭に支給する食糧の量は今月、20%の削減を強いられたという。(c)AFP