■「長く続けるしかない」

 震災から3年。行方不明者の捜索は今も続いている。警察や海上警備隊、ボランティアの人たちが川の河口付近や海底を探し、遺体を収容することもある。

 そんなボランティアのダイバーたちを率いるのが、高松さんにスキューバダイビングを教えた高橋正祥(Masayoshi Takahashi)さんだ。高橋さんは高松さんたちが安全に潜れるよう注意も払う。

 高橋さんは、趣味の潜水と違って水中の捜索は、まだ透明度が悪いところやがれきがあるため、水中で身動きが取れなくなる危険もあると指摘し、そこに気をつけながら周囲を見る余裕も必要だと言う。「全体を見られないと見つけられるものも見つけられない」

 高松さんは、妻を見つけられる可能性は低いことを分かっている。それでも捜さずにはいられないのだ。

「私のなかでは本当にまだ震災当時のまま。気持ち的にはほとんど進んでいないような」と、高松さんは語る。「見つけたいなとは思うが、やっぱり見つからないかなという気持ちもあって…。(海は)ちょっと広くてね」

「見つかるまでというか、見つからないかもしれないし。それは長く続けるしかない」

(c)AFP/Harumi OZAWA