■コード開発の報酬はビットコイン

 論文には「必要なのは、信用ではなく暗号化された証明に基づく電子取引システムであり、これにより希望する二者が信用できる第三者機関を介さずに直接取引できるようになる」と書かれている。

 アナリストらは、論文で考案されているネットワーク構成について、中央銀行を通さずにビットコインを発行でき、取引記録を保ちつつも分散計算を通じてユーザーの匿名性を保てる点で、非常に優れていると話している。

 ビットコイン財団(Bitcoin Foundation)の主任研究員ギャビン・アンドリーセン(Gavin Andresen)氏はニューズウィーク誌に、サトシ・ナカモトという名の男性と1年間にわたりネット上でやりとりをしてビットコインのコードを改良したと話している。だが、電話で話したことはなく、男性の私生活については何も聞かなかったという。「彼は、自分の匿名性を保つために非常に気をつかっていた」「わたしたちはコードについてしか話さなかった」

 ニューズウィーク誌によると、オリジナルコードの開発者らへの報酬は全てビットコインで支払われた。ナカモト氏に支払われた報酬は現在の相場で4億ドル(約412億円)になっているとみられるという。

 同誌は、ナカモト氏自身の写真の他、米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス東郊のテンプルシティー(Temple City)にある自宅や自家用車のトヨタ・カローラ(Corolla)の写真を掲載。自宅には取材陣が詰めかけており、読者からは、プライバシーを求めていたナカモト氏の実名や自宅の場所を公表した執筆者のリア・マグラス・グッドマン(Leah McGrath Goodman)氏を非難する声が上がっている。(c)AFP