【3月6日 AFP】ロシア政府が出資するテレビ局ロシア・トゥデー(Russia Today)の米国在住のニュースキャスターが5日、番組の生放送中に辞職を発表した。ロシアの支援を受ける部隊がウクライナに展開されていることに抗議するためだという。

 リズ・ウォール(Liz Wahl)さんは放送中、同局はウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の行動を「隠ぺいしている」と非難。これ以上、ロシアが出資するテレビ局で働くことはできないと述べた。

「皮肉なことに、私の祖父母はハンガリー動乱の時にソ連軍から逃れて米国に移住した難民でした」

「私は米国人であることを誇りに思い、真実を伝えることを信条としています。そのため、この放送の終了をもってキャスターを辞めます」

 同局ではこれ以前にも、報道番組「ブレーキング・ザ・セット(Breaking The Set)」の司会者アビー・マーティン(Abby Martin)さんが番組終了の直前、親ロシア派の武装グループの行動を批判。ウクライナへの軍事介入に「強く反対する」と述べ、「ロシアの行動は誤っている」と主張していた。

 これに対し、テレビ局側は声明を発表。マーティンさんは「クリミアの実際の状況をよく理解していない。事態が発生しているその現場で自分なりの判断を下す機会を提供するため、彼女をクリミアに派遣する」との方針を示したが、マーティンさんはマイクロブログのツイッター(Twitter)に、クリミアに行くつもりはないと投稿している。(c)AFP