【3月5日 AFP】スペインのスターシェフ、フェラン・アドリア(Ferran Adria)氏(51)が、世界一のレストランの称号を度々獲得した同氏のレストラン「エルブリ(elBulli)」で提供していた人気料理のレシピのデータベースと博物館を兼ねた「料理研究所」を来年オープンする計画を4日、発表した。

「エルブリ」は2011年に閉店するまで、英レストラン業界誌「レストラン(Restaurant)」で5回、世界一に選ばれたことのある名店。エルブリのシェフだったアドリア氏は、来年オープンする「エルブリ財団(elBulli foundation)」について、同店があったカタルーニャ(Catalunya)自治州バルセロナ(Barcelona)で会見した。

 同州出身のアドリア氏はハイテクな手法を用い、驚くようなやり方で食べ物を「解体・再構築」し、20年間にわたって料理の新境地を切り開いてきた。

 エルブリで最後の料理を提供したのは、2011年7月。その後、アドリア氏はレストラン経営から離れ、料理改革に全力を注ぐため、エルブリを教育・研究センターに作り替える計画を発表した。アドリア氏は「3年間にわたってこの財団の準備を進めてきた。現在95%完成している」と記者団に語った。

 新財団は三つの部門で構成される。そのうち二つが、料理の歴史についての展示「エルブリ1846(elBulli 1846)」と、料理研究所の「エルブリDNA(elBulli DNA)」だ。

 アドリア氏によると、研究所は「世界中からシェフやデザイナー、建築家ら40人」を招く。「効率的かつ革新的な活動で、最終結果は料理をめぐる形となり、インターネットで発表する」

 3番目の部門は、レシピや素材のデータベースなどを含む「料理の百科事典」である「ブリペディア(Bullipedia)」。

「一方には展示スペースがあり、もう一方にはクリエイティブスペースがある」とアドリア氏は説明した。

 3部門はすべて、バルセロナから車で2時間ほど北上したリゾート地ロザス(Roses)の地中海を望む「エルブリ」の跡地を拠点とする。(c)AFP