【3月5日 AFP】エジプトの新内閣で国防相に再任された軍トップのアブデルファタフ・サイード・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)氏は4日、実施が近づく大統領選への出馬要請を無視できないという考えを示した。支持者らは、同氏が立候補すれば当選は確実と見込んでいる。

 同国で初めて自由な選挙で大統領に選出されたイスラム系のムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)氏が、就任からわずか1年後の昨年7月に大規模デモで退任に追い込まれて以来、シシ氏は同国で最も人気の高い政治家と目されている。

 シシ氏は1日に発足したイブラヒム・メフレブ(Ibrahim Mahlab)新暫定首相が率いる内閣で国防相に再任された。同氏はこれまでにも大統領選出馬の意思をほのめかしながら、正式表明には至っていない。

 最近元帥に昇格したシシ氏に近い当局者らはAFPに対し、今春実施が見込まれている大統領選挙を規定する法律の成立後にシシ氏は国防相を辞任するだろうと述べた。

 同国の中東通信(MENA)によると、「シシ元帥は、大多数が大統領選への立候補を望むのであれば、その期待を裏切ることはできないと語った」と伝えた。さらに詳細には触れなかったものの、シシ氏が軍の士官学校の卒業式で「今後数日中に公式な措置が取られるだろう」と発言したとしている。

 アドリ・マンスール(Adly Mansour)暫定大統領は、この選挙関連法を今週か遅くとも来週中には承認するものとみられている。(c)AFP/Samer AL-ATRUSH, Jay DESHMUKH