【2月28日 AFP】米航空機・防衛大手ボーイング(Boeing)は間もなく、秘密を守りたいスパイや外交官などに向け、自己破壊機能を備えたスマートフォン(多機能携帯電話)「ボーイング・ブラック(Boeing Black)」を発売する。

 同社は、この携帯電話を分解・改造するといった考えは決して持たないように、と警告している。米連邦通信委員会(Federal Communications CommissionFCC)に提出した資料によると、「ボーイング・ブラックには保守可能な部品がない。部品の修理や交換を試みれば製品が破壊される」という。

「ボーイング・ブラックは、ケースとネジがエポキシ樹脂で覆われた密閉機器として製造される。またネジの頭は改造防止処理の施されたカバーがかぶせられており、分解が試みられたかどうかが分かるようになっている」「ケースをこじ開けようとすれば、機器内のデータとソフトウエアが削除され、機器を操作不可能にする機能が作動する」

 搭載する基本ソフト(OS)は米グーグル(Google)のアンドロイド(Android)システムの「ソフトウエアセキュリティー強化版」で、格納データと通信情報はともに暗号化されるという。

 ボーイングは同端末を「国防と国土安全保障に関連した政府機関およびにそれら機関と業務契約している企業を中心に販売する」方針。「マーケティングと販売は、製品についての下層の技術情報や操作情報を公表せずに行う。見本市で提供する詳細な技術情報は制限されるか、秘密保持契約により保護される」という。

 発売時期は発表されていないが、同社の広報担当者は「近日中」と述べている。(c)AFP