【2月27日 AFP】親ロシアの武装集団が27日、ウクライナ南部クリミア(Crimea)自治共和国の議会と政府本部を占拠し、建物にロシア国旗を掲げた。当局者が述べた。ウクライナのアルセン・アバコフ(Arsen Avakov)内相代行は同日、警察と内務省の要員に警戒態勢を取るよう指示した。

 クリミア自治共和国のアナトリー・モギリョフ(Anatoliy Mohilyov)首相はAFPの取材に対し、最大で50人の武装集団が夜間に建物に侵入し、ロシア国旗を掲げ、政府職員の立ち入りを禁じていると語った。

 モギリョフ首相はこの事態に対し、地元当局が「対応措置」を準備しているとだけ述べ、それ以上の具体的な内容については語らなかった。自治政府当局は声明で「政府職員に本日は出勤しないよう求める」と発表した。

 インタファクス・ウクライナ(Interfax-Ukraine)通信は、議会内の関係者の話として、所属を明記していない戦闘服を着た数十人が政府庁舎と議会議事堂に27日未明、侵入し、交戦することなく警備員を排除したと報じた。

 同通信によると、武装集団は入り口のガラスのドアに発砲して建物内に侵入したが、負傷者は出ていないという。

 黒海(Black Sea)沿岸のクリミア半島にはロシアを支持する住民が多く、ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)前大統領の失脚後、分離独立運動が広がるのではないかとの懸念が高まっている。(c)AFP