【2月25日 AFP】米複合企業ゼネラル・エレクトリック(General ElectricGE)は24日、水圧破砕法(フラッキング)技術や風力タービンといった環境に優しいエネルギーの研究にかける費用を、2020年までに100億ドル(約1兆300億円)増やすと発表した。

 GEによると、今回の新たな投資は、2005年に始まった研究開発(R&D)計画をさらに拡大させるもの。GEは、2015年末までのR&D計画に基づく150億ドル(約1兆5400億円)の投資計画のうち、これまでに120億ドル(約1兆2300億円)を投資している。

 今回の投資拡大により累計投資額が250億ドル(約2兆5600億円)になる同計画について、GEのジェフ・イメルト(Jeff Immelt)会長兼最高経営責任者(CEO)は、最も成功をおさめた全社横断事業の一つと述べている。

 GEは、天然ガス部門での新規R&Dプロジェクトを2件発表。同部門では、ガスや原油を取り出すために高圧の液体を使用して岩石に割れ目を作るフラッキングが生産性を大幅に向上させている一方で、環境に与える影響への懸念も上がっている。

 GEは、水の代用としての大規模使用に二酸化炭素(CO2)が適しているかどうかを調査するため、ノルウェーの石油会社スタトイル(Statoil)と協力関係を結んだと発表した。CO2を用いれば、フラッキングに使用される大量の水を削減できる可能性があり、現在も一部で使用されているが、コストが高いのが難点だ。

 GEによると、同調査の目標は、排出されたCO2を収集し、それを使って岩石層を粉砕し、そこから排出されたCO2を再度収集して次のガス井で再利用するシステムの構築が可能かどうかを評価することだという。

 2件目のプロジェクトでは、カナダのFerus社と協力し、天然ガスの採掘と輸送を経済的に行えるほどのインフラ整備が整っていないへき地の油田やガス田で焼却処分されている天然ガスの採取を行っている。

 両社は、採取した天然ガスからプロパンやブタンなどの液化天然ガスを抽出して販売している。残りのメタンガスは圧縮して貯蔵された後、遠隔地の油田で行われる作業のための発電に利用されるという。(c)AFP