【2月22 日 AFP】ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前米国務長官が大統領夫人だった90年代の「タイムカプセル」が開かれ、暴露された当時のプライベートな会話から、これまで米国民が知らなかった同氏の姿が浮かび上がっている。

 公になったのは当時大統領夫人だったクリントン氏の親友で2000年に死亡したアンカーソー(Arkansas)州の大学教授、ダイアン・ブレア(Diane Blair)氏とのやりとり。ブレア氏がノートに書き残していたものだ。同氏は2000年に死亡している。

 そこに書かれていたありのままのクリントン氏は、冷静沈着で人気のあるやり手の政治家というその後のイメージとはとはかけ離れていた。出馬を検討中とされるクリントン氏をめぐっては、早くも政治的駆け引きが始まっている。

 公開された文書によれば、クリントン氏はワシントンの流儀に「面食らい、怒りを」感じていたという。さらにビル・クリントン(Bill Clinton)政権を「壊そう」とする人々に戸惑い、混乱続きだった政権最初の2年間について夫に激怒していたという。

 2008年米大統領選の民主党予備選でバラク・オバマ(Barack Obama)大統領に敗北して以来、ヒラリー・クリントン氏は自分のイメージを改造してきた。国務長官として忠実にオバマ大統領に仕え、そして今再び、民主党大統領候補のチケットをつかむ本命とされている。

 しかしブレア氏の記録に含まれる1992年の民主党の世論調査の結果からは、有権者たちはクリントン氏の知性を高く評価する一方で、「冷酷」だと捉えていたことが分かる。これは大統領夫人としての役割を果たそうと苦心し非難を浴びていた時期に、クリントン氏がいかに評価の分かれる人物だったかを表している。

 夫のビル・クリントン元大統領と、ホワイトハウス実習生だったモニカ・ルインスキー(Monica Lewinsky)さんとの不倫問題で揺れていた頃の夫婦関係についても、ブレア氏の文書で明らかにされた。ヒラリー・クリントン氏は夫を「人間として大きな過ち」を犯したと責め、ルインスキーさんについては「ナルシストで正気ではない」と形容したという。