【2月20日 AFP】キューバの博物館はこのほど、1940~50年代にキューバで暮らしていた米国の文豪、アーネスト・ヘミングウェー(Ernest Hemingway)に関連する文書約2000点をデジタル化し、米国の研究者らに公開した。「キューバ・コンテンポラニア(Cuba Contemporanea)」誌が18日に報じた。

 資料を公開したのは首都ハバナ(Havana)郊外のサンフランシスコ・デ・パウラ(San Francisco de Paula)にあるフィンカビヒア(Finca Vigia Museum)博物館だ。

 コンテンポラニア誌は、博物館が所蔵する資料2000点以上が、デジタル化されて米マサチューセッツ(Massachusetts)州ボストン(Boston)市内にあるジョン・F・ケネディ大統領図書館・博物館(John F. Kennedy Presidential Library and Museum)に提供されたと伝えた。これらの資料が国外で公開されるのは、今回が初めて。

 ジョン・F・ケネディ大統領図書館・博物館で閲覧可能になった貴重な資料の中には、スウェーデンのノーベル賞委員会(Norwegian Nobel Committee)が、ノーベル文学賞(Nobel Literature Prize)の受賞を知らせるためヘミングウェーに送った1954年の電報もある。同図書館・博物館の声明によると、その他、ヘミングウェーの書簡やパスポート、電報、家計簿、バーの請求書や領収書なども含まれているという。

 フィンカビヒアは2008年にも約3000点の資料をデジタル画像として同図書館・博物館に寄贈しているが、関係者によると、今回提供された資料は、一度に公開される点数としてはそれ以来の規模となる。

「フィンカビヒア邸」は、ヘミングウェーがキューバに滞在していた約20年間の大半を過ごした家だ。「誰がために鐘は鳴る(For Whom the Bell Tolls)」や「老人と海(The Old Man and the Sea)」など、主要な作品のいくつかを同国で執筆したヘミングウェーは、米国に戻った後の1961年に61歳で自殺している。(c)AFP