【2月14日 AFP】米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官は14日、中国を訪問し、習近平(Xi Jinping)国家主席や王毅(Wang Yi)外相と相次いで会談した。

 日中間で、第2次世界大戦の歴史と東シナ海(East China Sea)の尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島、Diaoyu Islands)などをめぐり緊張が続き、二国間関係が近年で最も冷え込んでいる極めて重要な時期のケリー氏訪中となった。

 また、北朝鮮問題も優先順位の高い議題となった。米国は、挑発的な北朝鮮に対し非核化に向けた具体的措置を講じるよう促していく上で、中国の協力を求める狙いがあったとみられる。

 王外相との会談に臨む際、ケリー氏は記者団に対し、習主席との会談について「非常に建設的で、前向きなものだった。北朝鮮関連の課題の一部については、踏み込んだ協議を行う機会が得られてうれしく思う」と語った。また王外相は、「中米関係のあらゆる面に、非対立で非衝突、相互尊重と双方に有利な協力という原則を真に反映できるよう」、米国と連携していく用意があると話した。

 ケリー氏は先の訪問地である韓国・ソウル(Seoul)を出発する前に、日本が第三国に攻撃を受けた場合には米国が必ず介入するという日米安保条約が尖閣諸島にも適用されるという考えを改めて強調した。一方で、論争の的となっている昨年末の安倍晋三(Shinzo Abe)首相の靖国神社(Yasukuni Shrine)参拝については踏み込んだ意見は避け、「過去に関するもっともな懸念がある」ことは承知しているが、「同時に、歴史ではなく今日に関わる、安全保障上重大かつ目前に差し迫った懸念もある」と指摘した。(c)AFP/Jo Biddle