【2月14日 AFP】アフガニスタンで13日、旧支配勢力タリバン(Taliban)の戦闘員とされる65人が、同国東部バグラム(Bagram)の収容所から釈放された。

 米当局によると、釈放された65人は北大西洋条約機構(NATO)とアフガニスタンの兵士や、市民の殺害に関与したとされている。

 在アフガニスタン米大使館は声明で、65人の釈放は2001年からタリバンとの戦闘が続いている同国の治安をさらに悪化させかねないとして「深い遺憾の意」を表明。「アフガニスタン政府は、自らの決定がもたらす結果に対する責任を負う」「釈放された者たちを新たな暴力行為とテロ行為に加担させないためのあらゆる措置を講じるよう求める」と述べた。

 米国務省のマリー・ハーフ(Marie Harf)副報道官は、以前釈放された容疑者の一部は既に戦闘に復帰していると指摘し、新たに容疑者が釈放されることで武装集団の人員が増える恐れがあると述べた。

 しかしアフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領はトルコの首都アンカラ(Ankara)で開いた記者会見で、「アフガニスタンは主権国家だ。司法当局が釈放を決めてもそれは米国とは無関係であるし、またそうあるべきだ」「米国がアフガニスタンのやり方や司法当局に対する嫌がらせを止めることを願う」と述べ、米国からの批判を一蹴した。

 アフガニスタンでは、13年にわたり国内の武装勢力と戦ってきた米国主導の北大西洋条約機構の派遣部隊の撤退準備が進められているが、今回の釈放決定で、既にぎくしゃくしていた米国とアフガニスタンの関係はさらに悪化した。(c)AFP/Sardar AHMAD