【2月14日 AFP】デンマークのコペンハーゲン動物園(Copenhagen Zoo)で健康状態に問題のないキリンのマリウス(Marius)が9日に殺処分され世界中から怒りの声が上がったが、同国の別の動物園は13日、偶然にも同じマリウスという名のキリンが同じ運命をたどることになるかもしれないと発表した。

 ヘアニング(Herning)市近郊のユランズ公園動物園(Jyllands Park Zoo)は、同動物園で飼育されているキリンのマリウスが、その遺伝子が交配に不適切という理由で殺処分となる可能性があると明らかにした。

 マリウスは7歳で健康だが、その遺伝子はすでに欧州絶滅危惧種救済プログラム(European Endangered Species ProgrammeEEP)に登録されているため、交配の優先順位が低くなっている。

 同園は、1年ほど前にEEPに参加。EEPがマリウスよりも交配優先順位がより高いとみなす純血種の雄を昨年4月に受け入れた。ある飼育員は、「もし雌が来たらマリウスは飼えない、雄が2頭いたらけんかになるから」と話している。さらに、「新たな純血種が入ってくる時期は、交配コーディネーターに一任されている」として、もしEEPがマリウスの新しいすみかを見つけられなければ、同園で殺処分されることになるという。

 これを受けて動物愛護活動家らは新たに批判を強めている。ロシア・北カフカス(North Caucasus)地方、チェチェン共和国のラムザン・カディロフ(Ramzan Kadyrov)首長も殺処分に反対している1人で、写真共有サービス「インスタグラム(Instagram)」の自身のアカウントに「人道的配慮から、マリウスを受け入れる用意がある」と投稿し、マリウスには「良い飼育条件と健康管理を保証」し、新たな「流血の見せ物」を回避したいと表明した。(c)AFP