【2月13日 AFP】(一部更新)オーストラリアのクリケット場で12日夜、ジュニアチームの練習を終えたばかりの男児(11)が、チームメートや保護者らの目の前で父親(54)に殴り殺される事件が起きた。

 現場はメルボルン(Melbourne)から南東におよそ100キロ離れたモーニントン半島(Mornington Peninsula)のティアブ(Tyabb)にあるクリケット場。男児はちょうど練習を終えたところで、報道によればクリケットのバットで頭部を殴打されたという。

 男児は頭部に重傷を負い、その場で死亡した。一方、父親は駆け付けた警察官に撃たれ、搬送先の病院で13日未明に死亡が確認された。警察当局によると、父親はナイフを所持しており、警察官が唐辛子スプレーで取り押さえようとしたが抵抗されたためたため胸部に向けて発砲したという。

 男児の両親は別居中で、報道によれば親権争いの渦中にあったという。事件現場には母親も居合わせ、目の前で起きた事件に大きなショックを受けている。

 母親は報道陣に、夫には精神疾患の病歴があり、裁判所から暴力停止命令(AVO)が出されていたと語った。ただ、裁判所命令ではクリケットの練習場で息子と会うことは認められていたという。

 母親によると男児は事件前、「お父さんと話したい」と訴えた。頻繁には会えない上、「人が大勢いたので安全だと思った」ため許可したという。また、父親にはこれまで、息子を傷つけるような素振りはなかった。

 警察は現在、事件を目撃した子どもたちや保護者らから事情を聞いている。なお、ティアブは人口3300人の小さな町。(c)AFP