【2月12日 AFP】米政府は12日から行政措置として、象牙に関するほぼすべての貿易および国内の商取引を禁止した。

 象牙の商業輸入を骨董品も含めて禁じ、一部を除き商業輸出も禁止する。また国内での商取引も禁止する。

 骨董品の定義についてはこれから関係省庁で早急に詰めるとしているが、ホワイトハウスは声明で「骨董とみなすには100年以上経ったもので、その他に〚絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律(Endangered Species Act)の要件を満たすものである必要がある〛」としている。

 さらなる措置として、アフリカのゾウを対象にしたスポーツハンティングの大会のトロフィーで個人が国外から持ち込める数を年間2個に制限する。

 今回の象牙商取引の禁止は、米政府が同日発表した野生動物の密売を阻止する新しい国家戦略の一環。

 バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は昨年タンザニアを訪問した際に、野生動物の密猟を抑制する1000万ドル(約10億円)規模の計画を進める大統領命令に署名した。これを受けて密猟を実際に取り締まる戦略を立てる作業部会が設置された。

 世界の象牙取引は推計で年間70億~100億ドル(約7200億~1兆250億円)規模とされている。米政府高官によれば米国は合法、非合法にかかわらず世界で最大の野生動物製品市場だという。一方、アフリカに現在生息するゾウは50万頭を下回っており、さらに最大で年間3万5000頭ずつ減っているという。(c)AFP/Veronika OLEKSYN