【2月12日 AFP】仏中部オルレアン(Orleans)の裁判所は11日、世界的な人気歌手の故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんの死によって「精神的損害」を受けたとするファン5人の訴えを認め、ジャクソンさんに対する過失致死罪で有罪判決を受け服役した元専属医のコンラッド・マーレー(Conrad Murray)氏に、被害が認められた原告1人につき1ユーロ(約140円)の慰謝料の支払いを命じた。

 裁判を起こしていたのは、オルレアン近郊に拠点を置く「マイケル・ジャクソン・コミュニティー」という団体。マイケルさんの死で苦痛を被ったとする原告34人が、麻酔薬の過剰投与によりジャクソンさんを死亡させた罪で有罪となり、2011年に収監され、4年の刑期を2年に短縮されて昨年10月に出所したマーレー氏を訴えていた。同裁判所は、原告団のうちフランス人2人、スイス人2人、ベルギー人1人の計5人が精神的苦痛を受けたことが証明されたという判断を示した。

 原告団の弁護士はAFPに対し、「私の知る限り、ポップスターに関連した精神的損害という概念が認められたのは今回が世界で初めてだ」と話した。また同弁護士によると、損害は象徴的なものであり、原告らはマーレー氏に実際に慰謝料1ユーロずつの支払いを求めるつもりはないとしている。その代わりに、裁判所によって「被害者」と認定されたことで、米ロサンゼルス(Los Angeles)にある一般非公開のジャクソンさんの墓への参拝が許可されることを望んでいるという。(c)AFP