【2月5日 AFP】サッカー、カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部、コリンチャンス(Corinthians)の所属選手がファンに襲撃されるという、W杯ブラジル大会(2014World Cup)を前に国内サッカーのイメージを損なう事態が起こり、これに対して現地では激しい怒りと、選手によるストライキを求める声が噴出している。

 サンパウロ(Sao Paulo)州選手会の会長を務めるリナウド・マルトレッリ(Rinaldo Martorelli)氏は、ブラジル紙エスタド・ジ・サンパウロ(Estado de Sao Paulo)に対し、「われわれは選手を法的に保護するのに必要な文書を作成しており、またストライキの用意もできている。こうしたことを見過ごすわけにはいかない」と語った。

 1日、コリンチャンスのこのところの低迷に腹を立てた約100人のファンが、クラブの練習施設に押しかけ、翌日の州選手権の試合に備えていた選手らを襲った。

 ファンはワイヤーネットを切って侵入し、12クラブW杯(2012 FIFA Club World Cup)でチームを優勝に導くゴールを決めたパオロ・ゲレーロ(Paolo Guerrero)ら、スター選手にも手を出したという。

 コリンチャンスのマリオ・ゴッビ(Mario Gobbi)会長は、リーグやテレビ局との契約があることを理由に、翌日のポンチ・プレッタ(AA Ponte Preta)戦の中止に難色を示したが、この襲撃は大きな波紋を呼び、報道によれば、何人かの選手は身の危険を感じ、退団を望んでいるという。

 ゲレーロの他には、イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)から高額の移籍金で加入したアレシャンドレ・パト(Alexandre Pato)も暴行の標的となり、ファンは彼らの下に殺到すると、1人がゲレーロの首のあたりをつかみ、パトの脚を折ろうとした者もいた。

 今回の事件は、W杯の安全性にも懸念を生じさせている。コリンチャンスの練習施設は、W杯期間中はイラン代表チームが使用する予定となっている。(c)AFP