【2月5日 AFP】米マイクロソフト(Microsoft)は4日、創業者ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏(58)の会長退任を発表、同時にインド出身のサトヤ・ナデラ(Satya Nadella)氏(46)を同社の3人目の最高経営責任者(CEO)に指名した。経営体制を刷新し、携帯分野での業績改善を図る狙いがある。

 同社の声明によると、ゲイツ氏は「技術アドバイザー」として取締役にはとどまり、より現場に近い役割を担うことで「社により多くの時間をささげる」意向だという。

 ナデラ新CEOはこれまで、クラウド・法人部門担当の上級副社長を務めてきた。IT業界は従来のパソコンから、携帯端末とクラウドサービスに重点が動きつつあり、同社がアップル(Apple)やグーグル(Google)といった競合他社にリードを許しつつある中での今回の人事刷新となった。

 ゲイツ氏はナデラ氏を「技術者としての確固たるスキルと経営上の展望、また人々を一つに束ねる能力を兼ね備えた実績のあるリーダー」と呼び、「この変革期にあって、マイクロソフトを引っ張っていく人物にサトヤ・ナデラ以上の適任者はいない」としている。

 ゲイツ氏は2000年にCEOを退き、2008年にはビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill and Melinda Gates Foundation)の慈善活動に専念するためマイクロソフトでの実務から離れていた。同社によると、ゲイツ氏の後任となる会長にはこれまで筆頭社外取締役のジョン・トンプソン(John Thompson)氏が就任する。(c)AFP/Rob Lever