【1月31日 AFP】ドイツ人の間で緩やかにビール離れが進んでいることが、ドイツ連邦政府統計局(Destasis)の30日の発表で分かった。国内売り上げは7年連続で減少しているという。

 最新の統計によれば、2013年のドイツ国内醸造所でのビール生産量は前年から2%低下し、1989年の東西ドイツ統一以来、最低にまで落ち込んだ。昨年の国内ビール生産量は9460万ヘクトリットルで、84%に相当する7970万ヘクトリットルが国内市場で販売された。

 1人当たりのビール消費量で常に世界の上位を占めてきたドイツのビール市場では近年、消費者の嗜好(しこう)がノンアルコール飲料や、フルーツビールなど多様な種類のビールへと移行しているほか、中国や米国への輸出向けの生産が増えつつある。 

 一方、ドイツビール離れは他の欧州諸国でも見られる現象で、欧州連合(EU)内でのドイツビールの売り上げは8.6%低下。ドイツのビール総輸出量は3.8%減となった。

 ドイツ醸造家連盟(German Brewers Federation)は国内売り上げ低下の要因について、この冬の厳しい寒さと昨夏の長雨を指摘し、悪天候のためドイツ人たちが屋外で思う存分ビールを楽しめないのが理由だと説明している。

 その一方で連盟は、ドイツ社会の高齢化が進んでいる点にも言及し、ビール消費の低下傾向は今後も続くだろうと認めている。(c)AFP