■巨大な氷山が狩り場に影響

 2つめの研究は、南極のアデリーペンギンに焦点を合わせたものだ。13年間に及ぶ調査で、巨大な氷山が氷床から分離して漂流する現象がペンギンの繁殖に及ぼす影響を調べた。

 南極海のロス海(Ross Sea)では2001年、ペンギンたちの狩り場に2つの巨大氷山が漂着した。この2つの氷山の出現で、ペンギンたちの獲物の捕食機会が「劇的に」減ったという。

 論文主執筆者でフランス国立科学研究センター(CNRS)のアメリー・レスクロエル(Amelie Lescroel)氏によると、この時はそれでも多くのペンギンが赤ちゃんを育てることができた。しかし、こうした気候変動がもたらす異常事態が頻繁に起きるようになれば、「ペンギンの群れがこの先、海氷の変化の影響をいかに緩和していくのか、予測は極めて困難になるだろう」という。(c)AFP