【1月29日 AFP】次期駐中国米大使に任命されたマックス・ボーカス(Max Baucus)上院議員は28日、領有権をめぐる問題は大きな対立に発展する可能性があるとして、日本をはじめとする関係各国に対し、この問題についての発言に慎重になるよう呼び掛けた。

 民主党のベテラン議員であるボーカス氏は上院外交委員会の大使人事指名承認公聴会で、中国には「国際的な規範」に従うよう働きかけていくと繰り返した。一方で、自身を現実主義者であるとして、成長を続ける中国については「現実に基づいて」判断していくと述べた。

 昨年11月に中国が東シナ海(East China Sea)の空域に防空識別圏(ADIZ)を突然、設定したことについては、「遺憾だ」と述べ、この問題を「中国が取り得るその他の行動につながらないよう」対応していくとの考えを示した。

 また、先の来日の際には、「慎重になること、緊張を緩和すること、少し引いてみること」について関係者らに助言したことを明らかにした。「さもなければ、われわれは問題が大きな対立に発展する危険を冒すことになるからだ。緊張が高まれば高まるほど不測の事態も起こり得る」からだという。

 ボーカス議員はさらに、「関係各国に対して、領有権をめぐる問題は強制や武力の行使ではなく、協力して解決する必要があることを強く訴える」と述べた。(c)AFP/Shaun TANDON