【1月28日 AFP】オーストラリアの北部特別地域(Northern Territory)で26日にイリエワニに襲われ行方不明となっていた12歳の少年の捜索で、現地警察は28日までに人体の一部を発見した。

 現地警察のマイケル・ホワイト(Michael White)署長は「少年がワニに襲われ死亡したことを強く示す証拠を捜索エリア内で」発見し、「さらに身元確認のためにDNA鑑定が行われる」と述べた。証拠の内容や発見場所などに関する詳細については、家族への配慮から発表しないという。

 現地メディアは発見された証拠について人体の一部だと報じている。警察は残る遺体を捜索している。

 少年は26日に、カカドゥ国立公園(Kakadu National Park)内の湖で友人たちと泳いでいたところをワニに襲われ、湖に引き込まれた。ワニを追い払おうとした別の少年も襲われ、腕にかみ傷を負った。この少年の傷から公園管理当局では、2人を襲ったワニは体長2~3メートルと推測している。

 イリエワニは体長7メートル、体重1トン以上にもなる大型のワニで、熱帯性気候のオーストラリア北部に多く生息する。1971年に保護法が導入されて以来、生息数が増えており、政府の推計ではオーストラリア全体に現在7万5000~10万頭がいる。

 死者も出る事件が増える中、チャールズ・ダーウィン大学(Charles Darwin University)を中心とするオーストラリアの研究者たちは先月、ワニの襲撃に関する世界初のデータベース「クロコバイト(CrocBITE)」を立ち上げたばかり。同チームの記録の範囲で今年に入りワニに襲われ死亡したとされるのは、今回の少年で11人目だという。(c)AFP