【1月25日 AFP】昨年12月24日に南極海で氷に囲まれて立ち往生したロシアの調査船アカデミック・ショカリスキー(MV Akademik Shokalskiy)号から救助された科学者ら52人を乗せたオーストラリアの砕氷船オーロラ・オーストラリス(Aurora Australis)号が22日、オーストラリア・タスマニア(Tasmania)島のホバート(Hobart)に到着し、救助された人たちはようやく陸地に戻った。

 52人は今月2日に中国の砕氷船、雪龍(Xue Long)号搭載のヘリコプターで救助されてオーストラリス号に収容されていた。オーストラリス号はオーストラリアの南極観測基地ケーシー(Casey)基地に燃料や食料、装置類などの必需品を運ぶ途中、2週間にわたってショカリスキー号の救助に参加。救助された52人を乗せたまま補給任務に戻り、基地に物資を届けた上でホバートに向かっていた。

 オーストラリア南極局(Australian Antarctic DivisionAAD)のトニー・フレミング(Tony Fleming)局長は、救助活動が科学研究などに及ぼす影響を最小限にするよう努力したが、実際にどの程度の影響が出たのか細かい部分まで確定するには時期尚早だと述べた。

 AADによると、中国、オーストラリア、フランスの砕氷船が参加した今回の救助活動の費用はまだ確定していないが180万~240万オーストラリア・ドル(約1億6000万~2億1000万円)に上るとみられている。AADはショカリスキー号の保険会社と、ショカリスキー号に乗っていた調査隊に関わった大学に救助費用を請求する意向だ。(c)AFP