【1月23日 AFP】南アフリカ政府は、最近公開された故ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領のブロンズ像の耳の穴の中に密かに彫り込まれていたウサギの像を取り除くよう命じた。当局関係者が22日、明らかにした。

 首都プレトリア(Pretoria)に設置された高さ9メートルの巨大な銅像の制作者、芸術家のアンドレ・プリンスルー(Andre Prinsloo)氏とルハン・ヤンセ・バンブーレン(Ruhan Janse van Vuuren)氏は、作品への「署名」の代わりとして政府に無断でウサギの像を付け加えた。

 政府側は地元紙が報じるまでその存在に気付いていなかった。2人は当局の許可を得ずにウサギ像を追加したことを謝罪している。

 銅像の建立を請け負った企業「Koketso Growth」のダリ・タンボ(Dali Tambo)会長によると、銅像に署名を刻印する案は当初から却下されており、アーティスト2人の氏名は銅像そばの飾り版に刻まれることになっていた。

 タンボ氏は、「署名を作品に入れられないことに対する意見を示す手段として、アーティストらがこうした行動を取ったことは残念だ」と述べた。同氏は、マンデラ氏と共に反アパルトヘイト運動を率いた政治家の1人、オリバー・タンボ(Oliver Tambo)氏の息子。

 およそ800万ランド(約7700万円)をかけて制作された重さ4.5トンのこの同像は、世界各地に作られているマンデラ氏の像の中でも最大で、同氏が埋葬された翌日に公開されていた。(c)AFP