【1月21日 AFP】反移民・反欧州連合(EU)を掲げる英国の政党「英国独立党(UKIP)」は19日、英国に洪水被害が続くのは政府が同性婚を認めたせいだと主張した同党の地方議員を、党員資格停止処分とした。

 処分を科されたのは、ロンドン(London)西郊の町ヘンリー・オン・テムズ(Henley-on-Thames)のデービッド・シルベスター(David Silvester)町議会議員。敬虔(けいけん)なキリスト教徒で、かつてはデービッド・キャメロン(David Cameron)首相率いる保守党に所属していたが、昨年にキャメロン政権による同性婚合法化の動きに抗議し保守党を離党した。

 シルベスター氏は地元紙への投書の中で、英国で数週間も暴風雨が続くのは、神の怒りを買ったためだと主張。「(キャメロン首相の)過ちによって、英国の広範囲が嵐や洪水に見舞われている」と非難した。

 英国独立党は当初、シルベスター氏には自らの意見を表現する権利があるとして同氏を支持していたが、ここへきて党の緊急権限を使い党員資格を停止した。

 その理由として同党ヘンリー・オン・テムズ支部のロジャー・バード(Roger Bird)支部長は、「英国独立党の旗の下に、党の理念と相いれない、物議を醸す個人的信念を宣伝する個人を認めることはできない」と説明している。

 バード支部長によれば、シルベスター氏はインタビューに応じることを禁じた党の命令に従わず、19日にBBC(英国放送協会)のラジオ番組で、同性愛は「治療可能な」病気だと語ったという。

 かつてキャメロン首相から「奇人や変人、隠れ人種差別主義者の集まりだ」とやゆされたこともある英国独立党は、過激な思想を持つ人々を引き付けているという評判を払拭しようと努めている。(c)AFP