【1月18日 AFP】カナダのエドワード・ファスト(Edward Fast)国際貿易相は15日、国内の大学が受け入れる外国人留学生と研究者を倍増させ、2020年には年間45万人を目指す方針を明らかにした。

 世界の最も優秀な人材にカナダで就学・就労してもらい、卒業後もカナダにとどまってイノベーションのけん引や経済の活性化に一役買ってもらうのが狙いだ。

 同相は声明で「国内のどの地域でも、国際的な教育は、雇用や経済的繁栄を促進するための重要な要素だ。カナダ政府はこの点を理解している」と述べた。

 政府はこの目標の達成に向けた予算として、すでに年間約500万カナダドル(約4億7600万円)を確保しており、この予算は主に世界の6つの主要市場にカナダの学校を「売り込む」ために充てる。

 さらに、ブラジル、中国、インド、メキシコ、トルコ、ベトナムの各国との間で留学を支援している非営利団体に、約1300万カナダドル(約12億3700万円)を割り当てる。

 ファスト同相は政府のこうした方針について、自国の学生の高等教育の機会に悪影響を及ぼすものではなく、学校の規模拡大につながるものだと説明している。カナダ国内の学生の授業料は政府が一部を補助しているが、留学生は通常、全額を自費で支払っている。

 なお、カナダの大学は米国の大学よりも高い平均賃金を提示しているにもかかわらず、外国人の研究者や教授陣の確保に苦慮しており、原因は冬の厳しい寒さだとされている。(c)AFP