【1月17日 AFP】アイスランドで原料にクジラの肉が使用されている地ビールの製造が、年明けの6日から禁止され、環境活動家らが歓迎している。

 問題のビールは 、地ビール醸造会社「Stedji」と捕鯨会社「クバルル(Hvalur)」が合弁事業で製造していたもの。クジラ肉からクジラ油を製造する際の残留物を原料として使用していた。

 同国の公衆衛生当局のヘルギ・ヘルガソン(Helgi Helgason)氏は「クバルルは、食品製造のための生産許可を得ていない。従って製造を中止させる必要があった」と国営放送に語った。

 アイスランド当局の決定について、世界クジラ・イルカ保護協会(Whale and Dolphin Conservation SocietyWDCS)は歓迎の意を表明している。

 環境活動家らはこのビールが、クジラ関連製品の新たな市場を切り開く試みだとして警戒していた。WDCSの広報担当ダニー・グローブス(Danny Groves)氏は「アイスランドと日本の需要不足が意味することは、クジラ肉業界が新たな市場を見つけなければならないということだ。そうした試みの1例がビールだ」と述べた。Stedjiでは、ビール2000リットルにつき、約1キロのクジラ肉を使用していた。

 ある醸造業者は、クジラ肉粉ビールはあらゆる試験を合格していたと惜しみながら「しかし、それが最終決定ならば、われわれは従わければならない」と語った。(c)AFP