【1月20日 AFP】2014年に接近する彗星(すいせい)の調査に向けて10年前に打ち上げられ、数年前からは休止状態にあった探査機が20日に再起動する。

 今年接近するチュリュモフ・ゲラシメンコ(Churyumov-Gerasimenko)彗星(67P)の調査を目的に2004年に打ち上げられたのは、欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)の彗星探査機「ロゼッタ(Rosetta)」。現在、内太陽系の周囲70億キロを周回している。

 ロゼッタは地球に3回、火星に1回接近し、惑星の重力を利用するスイングバイで勢いを付け、2011年6月に予定通り8億キロメートルの地点に到達した。

 日本時間20日午後7時、ロゼッタ内のコンピューターが休止状態から目覚め、6時間かけて再起動とシステムの動作試験が行われる。ロゼッタははるか遠くにあるため、全て問題ないことが確認された後に「全システム正常」の無線信号が地球に到達するまでに45分の時間がかかる見込みだ。

 8月には彗星の上空25キロメートルの周回軌道に入り、11台のカメラとレーダー、マイクロ波、赤外線などのセンサーで彗星の地表を解析する。

 そして11月、ロゼッタから冷蔵庫サイズの実験機「フィラエ(Philae)」が彗星に投下される。フィラエは彗星の地表で各種の実験を行う予定だ。

「彗星についての全てを知りたい。磁場、組成、温度、全てだ」と、フィラエを担当した責任者の一人、アマリア・エルコリフィンジ(Amalia Ercoli-Finzi)氏は語った。(c)AFP/Laurent BANGUET