【1月17日 AFP】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)で、イスラエル政府が承認していない入植地「アウトポスト(Outpost)」に移住した過激なユダヤ人たちが、暴力的なイメージを改善しようとすし店をオープンした。イスラエルの日刊紙イディオト・アハロノト(Yediot Aharonot)が15日、伝えた。

 すし店がオープンしたのは、ヨルダン川西岸北部のエシュコデシュ(Esh Kodesh)と呼ばれる小さなアウトポスト。エシュコデシュの入植者らは頻繁に地元のパレスチナ人を攻撃している。

 イディオト・アハロノト紙によると、すし店は近隣の入植地やアウトポストから注文を受け付けている。

 起業したのは最近になって信仰を持ち始めたばかりというマーヤン・シャール(Maayan Shaar)さん。経営する宿泊施設ですしを提供したところ、人気を博した。店の評判は口コミで広がり、今では、国際的に認知されているイスラエルとパレスチナの境界である「グリーンライン(Green Line)」を超え、「さらに山深いところにまで」配送をしているという。

 アウトポストは、多くの場合数台のトレーラーが置かれている程度の小規模な入植地で、大半が高台にあり、政府の承認を得ずに設置されている。先週には、エシュコデシュの住人数十人が近隣のパレスチナ人の村に侵入、組織的に嫌がらせを受けていると不満を募らせていた村人から暴行を受けた事件が報じられていた。(c)AFP