【1月16日 AFP】米モンタナ(Montana)州のマルムストローム空軍基地(Malmstrom Air Force Base)で核ミサイル発射の任務を負う将校34人が、熟練度試験で不正を働いたとして停職処分を科されたことが、米空軍指導部の15日の発表で分かった。

 同国の核部隊は、先週にも将校の違法薬物所持疑惑が明るみに出るなど、数々の不祥事に見舞われている。

 デボラ・リー・ジェームズ(Deborah Lee James)米空軍長官は記者会見で「今回の試験に関して、不正が行われた」と発表。「一部の将校が不正を行った。不正について知っていたとみられる他の将校は、何の対処も取らなかったか、少なくとも不正を止めさせたり報告したりという十分な対処をしなかった」と述べた。

 また、試験での不正は「絶対に受け入れらない行為」だと非難した上で、核兵器の安全は確保されていると強調した。

 当局者らによると、今回の不祥事は、核部隊の試験で起きた過去最大規模の不正となった。マルムストローム基地には190人の発射担当将校が配属されており、今回処分を受けた将校は全体の約20%に上る計算だ。

 不正行為は、マルムストローム基地を含む複数の基地で将校の違法薬物所持疑惑について調査が行われていた際に明るみに出た。不正行為を働いた将校のうち2人は、他の6基地の将校11人が関与する別の違法薬物の事案に関係しているとみられるという。(c)AFP