【1月15日 AFP】日本航空(Japan AirlinesJAL)の米ボーイング(Boeing)787型機「ドリームライナー(Dreamliner)」で、メンテナンス作業中に操縦席の窓から「白煙」が確認されたことを受け、日本航空は同機体の運航を停止した。バッテリーのトラブルをめぐり、787型機が世界的に数か月にわたって運航停止されてからちょうど1年が経過する中での新たなトラブルとなった。

 日本航空によるとトラブルが見つかったのは、14日午後のタイ・バンコク(Bangkok)への出発を控え、成田国際空港(Narita International Airport)に駐機してメンテナンスを受けていた機体。整備士が操縦席の窓の外に煙が出ているのを発見し、その後バッテリーシステムの警告に気付いた。

 調査の結果、バッテリーシステム内の8個のバッテリーセルのうち1個で液体が漏れていた。だが、過度の圧力を逃がすための安全弁は正常に作動していたという。日本航空の広報担当者は、セルの温度が高く、セルが「白煙」を発生させたとみていると語った。白煙は煙か蒸気とみられる。

 トラブルが見つかった機体は運航を停止させ、バンコク行きの便には別のドリームライナーが振り替えられた。

 14日のトラブルを受け、ボーイングは、「787型機のバッテリーシステムに昨年実施した改良が、設計通りに動作したとみられる」と述べた。

 ボーイングは昨年のバッテリートラブルを受け、バッテリーと充電システムを設計し直し、発火防止のために鉄製の箱を追加するなどの改良を行ったが、数か月におよぶ調査にもかかわらず、トラブルの根本的な原因は分からなかったとしている。ドリームライナーはその後、圧力センサーやブレーキシステムなどの比較的小さなトラブルを起こしている。(c)AFP