【1月15日 AFP】イスラエルのモシェ・ヤアロン(Moshe Yaalon)国防相が私的な会合で、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官による中東和平交渉への取り組みを「強迫観念」と酷評したことが報じられ、米国とイスラエルの外交問題に発展していることを受け、同国防相は14日、ケリー国務長官に謝罪を表明した。米国とイスラエルは対イラン政策でも衝突したばかり。

 ケリー国務長官は昨年3月以降、イスラエルを10回訪れている。だがイスラエルの主要日刊紙イディオト・アハロノト(Yediot Aharonot)によると、ヤアロン国防相はイスラエルと米国の高官との私的な会合で、ケリー長官が和平交渉への取り組みを放棄してそのエネルギーを別のことがらに注ぐことに期待感を示した、としている。

 さらに、「米国の提示した安全保障体制案は、紙くず同然だ」とヤアロン国防相は語り、ケリー国務長官を無知だと非難したという。「ジョン・ケリー国務長官は──理解しがたい強迫観念と救世主のような感覚に基づいて行動し、断固とした態度でここ(イスラエル)を訪れているが──パレスチナ人との衝突について私に何一つ教えることはできない」

 米ホワイトハウス(White House)はヤアロン国防相のコメントを「侮辱的」と非難。これを受け発表された声明の中で同国防相は、「和平交渉進展に向けたケリー長官のさまざまな取り組みを高く評価している」と述べた上で、「(ヤアロン)国防相には(ケリー)長官を侮辱する意図はなく、国防相の発言とされる内容が長官の気分を害したのであれば、謝罪する」と表明した。(c)AFP