【1月14日 AFP】ナイジェリアで、同性同士で結婚をした者に禁錮刑を科すことを定めた法律が、グッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領によって成立させられたことが13日に分かり、同国に対して世界各地から怒りの声が沸き起こっている。

「2013年同性婚(禁止)法」と名付けられたこの新法は、同性同士で結婚した者、もしくは結婚に準じた「シビルユニオン」の関係を結んだ者に対し、最高14年の禁錮刑を科すもの。また、他国で認められた同性婚なども同国では「無効」とみなされる。

 さらに、同性愛者の同好会・団体・組織の運営や、これらへの会員登録と参加に加え、同性同士の性的関係を直接的または間接的に公開した場合も、最高10年の刑を科される。

 米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官は、ジョナサン大統領が同法案に署名したことに対する「深い懸念」を表明。同性愛者の人権問題に取り組んでいる人権活動家ピーター・タッチェル(Peter Tatchell)氏は「世界で最も同性愛嫌悪的な法の一つ」だと表現し、また各地の人権団体は「悲劇」であり、平等な権利を求める闘いを後退させるものだと批判している。

 ルーベン・アバティ(Reuben Abati)大統領報道官が13日、AFPに語ったところによると、昨年議会を通過していた同法案は、今月にジョナサン大統領が署名。同報道官は「ナイジェリア国民の90%が同性婚に反対している」と述べ、同法は信仰のあつい同国の世論に沿ったものだとして、国外からの懸念を一蹴した。

 アフリカでは先月、ウガンダでも反同性愛法案が議会を通過し、ヨウェリ・カグタ・ムセベニ(Yoweri Kaguta Museveni)大統領による批准を待つ状態となっている。この法案については、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が「忌まわしい」ものとして糾弾、南アフリカのデズモンド・ツツ(Desmond Tutu)元大主教もアパルトヘイト(人種隔離政策)になぞらえて非難した。

 またナイジェリアの東隣のカメルーンでも、同性愛は最高5年の刑を科す犯罪とされている。

 これら3か国ではキリスト教福音派が強大な影響力を持っており、ナイジェリアでは南部にキリスト教徒、北部にイスラム教徒が多く住み、国がほぼ二分された状態になっている。(c)AFP/Ola AWONIYI